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不思議な夢を見た(卑猥な音響の正体)

何処からともなく
卑猥な音響が流れ出て来た。

おじさんが出て来た。
ツルツルにハゲた頭は滑(ぬめ)っている様に
怪しく光っていたが、どうにもその
反射を抑える事が出来ない。

子ども達は光の眩しさに面食らった様な表情で
「にげろぉ~!!」と言って
木の木陰に隠れて眺めていた。

「あっ! あの嘘つきババァ!
おじさんに手を振っている」

子ども達がおばさんに近づいて
「今日も叫び声がきこえたぁ~」
「おじさんが現れて出て行くとすぐ鳴き止むッ!」
と言った。

おばさんは顔を少し赤くして
「カラスが鳴いてたんじゃない?」
ととぼけた。

子ども達が両手に握りしめていた
チュッパチャップスと
チロルチョコに目を向けると、
おばさんは思わず不意に
「おばさんにもチュッパチャップスくれる?」
と言ってしまった。

チュッパチャップスのデザインは
サルヴァトール・ダリのデザインだが
シュルレアリストだったダリはその思想を
チュッパチャップスという「アメ」に
シュルレアリスムの思想を注入したに違いない。

「ぺろぺろ ぺろぺろ!
 ペロペロ ペロペロッ!
ペロペロペロぉ~ ペロペロぉ~ 
ペロペロペロぉ~ ペロペロぉぉ~ 
ってしてたのに・・・。」

三太くんは
「あんなにしゃぶっていたのに
まだしゃぶりたりないのですかっ!!!」

と底無しの貪欲と粘着に
ウザイ表情を隠しきれずに
正直に言い放った。

不思議な夢を見た(管理人のおじさんがやって来た!!)

子ども達が口々に
「嘘つきババァの所!」と言っている。

おじさんはアパートの管理人だが、向いの
ババァの家へ何時も入って行く。

男の子や女の子がコソコソ集まってきて
コソコソ小声で
「不倫ババァのとこ!」と言った。

あやしい振動音と共に
子ども達が眉にしわを寄せて両手の指を
耳穴に入れて耳栓している。

子ども達に近づいて「何しているの?」と訊ねた。

「ババァの叫び声が煩いので耳栓してるの。
管理人のおじさんが来ると何時も聞えて来るので
叫び声が聞こえたぁ~って言ったら
犬の鳴き声だってあの家のおばさんがそう言うの。
だから嘘つきババァって皆で名前つけてるんだぁ~。」

「へぇ~ そうなんだぁ~」
「あなた達は何歳なの?」

「僕は小学2年!リカちゃんは小学1年! 三太は保育園」

「でもねリカ、ママがあのおばさんの事話してたもん!!
間違えたんだって。」

「まちがえた?!」

「うん、日を間違えたんだって・・・。
日を間違えて生まれたんだって・・・。」

「なんなのそれぇ~」

「アヤト君男の子だから男の子は関係ないみたい。
女の子の日って言ってた」

「へぇ~~」

「大人の事情でママがサイコンって言ってた」

「え? サイコロ?」

「サイコン!」

「でもあの叫び声嘘つきババァの声だと思うよ。
犬じゃないよねぇ~」

平日の日中に子ども達がまるで探偵の様な
会話をしていて驚いたが
ポケットから取り出した手にはチュッパチャップスの
キャンデーとチロルチョコを皆に配り、両手に握りしめて
悦に浸っていた。