My Foolish Heart

ジャズと言うより、エヴァンスはおそらく
「忠実に自身の心をなぞる、 或いは心を映す」
自身との対話によって紡がれる響きを
リアルタイム再生してるに違いないと思うのです。

そして僕が彼に惹かれる最も大きな原因の一つに、
彼のそういう音楽との向き合う姿勢から
生まれる響きにあると思います。

彼らにはクラシック音楽のように楽譜がない。
彼はプレイ中に祈るように頭を下げ、目を閉じて
プレイしています。

毎回テンポもリズムもプレイ時間も違い、同じ演奏はない。
つまり瞳を閉じてその時々の自身の心を見つめ、
心を映しているに違いないのです。

その行為が偽りのない美しい響きとなって
露になっているように思います。

人は自身に似ている或いは、自身では自覚、気付いていない
精神的に共有しフィットする、元々心の奥底に持って眠っている
美しいものを呼び覚ましてくれる対象にしか共鳴
できないのかもしれません。

僕の中で勝手にジャンルを付けていて「煙の様な音楽」とか
「フレグランスの様な音楽」と呼んでいるのですが、
どこか温かく、お香のように漂う香りを音から感じます。

「煙のような音楽」と思う人がもう一人いますが
その方もジャズが好きだったようです。
なんだか不思議ですね。